GENUINE倉田一摩

20年先も生き残る!新世代美容師の考えるヘアスタイリストの本質ーGENUINE倉田一摩

今回お話を伺ってきたのは、「GENUINE(ジェニュイン)倉田一摩」さん。

美容学校卒業後、約1年半の期間で理容室、業務委託サロン、フリーランスを経験し、その後はイギリスのサスーンアカデミーを成績トップで卒業。

現在はロンドンのカルチャーとサスーンアカデミーで触れた経験をベースに表参道・青山エリアにて「GENUINE」をオープン。”未来に繋がる伝統は残し、 必要な変化は自分達の意思で選び、無いものは新しく生み出していく”がコンセプトのヘアサロンの代表を務める素材に合わせた個性的で上品なスタイルを提案・提供している。

そんな新世代の美容師「倉田一摩」の考えるヘアスタイリストの本質ついてお話を伺いました。

日本での理・美容師経験から感じた”現実”と”理想”

ーー専門学校で美容と理容のWライセンスを取得した理由は?

もともとは「理容業界の人数は少ないからこそ、そこで活躍してみたい」と考えて専門学校に通い始めたのですが、美容師である親の影響を受けて2つの資格を取りました。

正直、理容でも美容でもスタイリストとしてできることは同じだと感じています。結果的に、方向転換し続けている今の自分にも繋がってきているのでWライセンスを取って良かったです。

ただこの「免許」は1度合格するだけのただの「資格」です。将来的には更新制にしたほうが日本の美容師の質の向上や技術の向上になるのでは?と思うこともあります。

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ーー卒業後の理容室、フリーランスサロンでの経験について教えてください。

卒業後は「3年目でやっとカラーデビュー」といった昔ながらの理容室に就職しましたが、自分の目指す姿や働き方とのギャップを感じ、即転職。

次は「テストをクリアすればデビュー」できるような業務委託サロンに就職し、3か月程度で早速スタイリストデビュー。そこは店側が集客をしてくれるのですが、回転率を上げるためにとにかく単価を下げてお客様を集めていてるようなサロンでした。早々に100万の「売上の壁」はクリアしましたが、そもそも自分は「稼ぐために美容師をしていない」と気づき、フリーランスに転換しました。

自由な働き方と多くの時間を手に入れたものの、現実は理想の働き方や売上と大きなギャップを感じる不安の毎日。焦ってSNSを使って集客を始め、自ら声掛けしたりモデルを探すなどの方法で新規をたくさん集めて改善を図っていきましたが、だんだんとリピート率を上げたいという考え方に代わりました。

ーーロンドン留学を決めたキッカケは?

偶然、母校がサスーンアカデミーの提携校だったことがきっかけで、漠然と海外留学に興味を持ちました。

フリーランスで働いている頃から「これが理想の働き方ではない」とも感じていました。

そのころから準備を進める中で、著名なスタイリストや海外の大きなサロンで働いているトップスタイリストの多くがサスーンアカデミーでの勉強経験があることを知り、ロンドンへ行くことを決めました。

海外経験で学んだ”生き方”の違い

ーーロンドン留学で感じたことや学んだことは?

正直、現地では技術よりもそこで過ごした時間や文化、出会った人が刺激となり大きく価値観が変わりました。プロフェッショナルも大事ですが、生きたいように生きることも悪いことではないと思ったことが一番の学びです。

町を歩けばすれ違う人が声をかけてきたり、電車がストライキで使えない日があったり、講義が早めに終わる理由が「ガールフレンドとの記念日だから」といったような日々で。

ロンドンで暮らす人々は、良い意味で個がはっきりしているなと感じました。

あとは、日本の表参道のようなエリアでモデルハントをすると、大体みんな快く受け入れてくれます。まずは一回立ち止まって話を聞いてくれて、「あなたのためになるなら」といったような寛容で積極的な人が多い印象でした。そのような、”コミュニケーション”にも魅力を感じました。

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ーー現地の学校はどうでしたか?どのような共通点を持った人が学びに来ていましたか?

サスーンアカデミーには様々な国からの生徒がいました。日本人もそれなりに多く、逆にイギリス人はほとんどいませんでした。それぞれが明確な目的や得意とするものを持った生徒が多くて、そういったコミュニティに出会えたことも大きな収穫です。

講師の教え方は「生徒がどこまで求めているか」で教え方が違っていました。真剣に取り組んでいる生徒には心身に寄り添って、技術は細部までとことん突き詰めて教えてくれます。

また、「理論の中にグレーゾーンがある」とも感じていました。髪を切るときの引き出す「角度」が地面からなのか、頭に対する角度なのかといったところに文化の違いや言葉の壁を痛感。教え方以前のベースが全然違っていたことも覚えています。

ーー行ってみて感じた日本の美容業界とロンドンの美容業界の違いは?

そもそも、ロンドンにはサロンが少ないと思います。髪の毛が地面に落ちたままのような500円の価格帯の理髪店から、1万5千円程度のこだわりも技術も価格も高いサロンといったように、サロン格差が大きいと思います。あとは、価格帯が中間層の「安くて、上手い」といったようなアジア系サロンも人気なようでした。

一方で日本の美容業界は、美容師が失敗するリスクが少ないと思います。技術が平均的な人が多くて、美容室の数もコンビニよりも多いと言われています。

お客様からしたら「選べるサロンが多い」というメリットもありますが、今後よりいっそう競争が激しくなると予想しています。

ヘアスタイリストの本質を極めるべき

ーー海外留学を経た今、日本の美容室や教育カリキュラムについてどう思いますか?

「日本の教育カリキュラムや美容業界が間違っている」とは思っていません。長く続いてきたものには理由があり、「なぜそうなったのか」「なぜ残っているのか」を考えていくことのほうが重要だと思います。

しかし20年後には職業のほとんどが機械にとって代わり、ヘアスタイリストのような人に対するサービスにこそ『プレミアムな価値』がつくのではないでしょうか。

ビジュアルを作る部分は1日や1ヶ月でできるものではないため、コツコツ経験を積み重ねて極めるしかないと思います。

スマホの中にあるスタイルを真似して練習するだけの毎日を過ごすのか、それとも自分にしかできないビジュアルを作れるよう努力を重ねるのかは各自・各サロンの判断です。

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ーー倉田さんの考える20年後の美容業界とは?

マーケティングやブランディングが上手いというスタイリストより、今自分にしかできないビジュアルを磨いて「ヘアスタイリストの本質」を求める人が生き残り、そんな強みを持ち合わせるエキスパートが集まるヘアサロンが生き残っていくのではないでしょうか。

そのためには、早めにデビューさせてから経験値をためた方が良いのではないか、という考えに至ります。

ーー美容業界においてGENUINEはどんなヘアサロン?

GENUINEは若いメンバーの集まる美容院ですが、技術や質にフォーカスしているプロフェッショナル集団です。

自分は代表としては、これまで述べてきたようにメンバーそれぞれが自分の力で稼げるような力を身に着けることに重きを置いていて、まずはそれぞれ個人の目標に対して何をどうすべきなのかを意識できる環境を作っています

またSNS運営は基本的に個人に任せていますが、GENUINEには個性派メンバーが集まっていることもあり、時々行き過ぎた奇抜すぎる投稿で集客に繋がらないよう場合には適宜アドバイスもします。

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メッセージ

ーー美容学生や美容業界へ憧れている若者へ向けてメッセージをお願いいたします。

自分が短期間で多くのものを見てきたように、いろんな良いものをみておくことが大事だと思います。

接客や集客だけでは超えられない技術やセンスの壁があるので、まずは作りたいビジュアルを作りこんで、それをしっかりと自分なりに解釈してアウトプットできる能力を磨くべきです。

考えなくていい仕事は機械に変わるので、機械に真似できないオンリー1な部分を磨いていくことが大事なのではないでしょうか。インスタを見て他の人の真似をするだけではナンバー1にも、オンリー1にもなれません。

倉田一摩(GENUINE 代表・スタイリスト)

千葉県出身。東洋理容美容専門学校にて美容師・理容師のWライセンスを取得。地元の理容師に就職したが入社後1週間で退社。都内の業務委託サロンやフリーランスを経験し、更に美に対して知見を深めるためにイギリス・ロンドンへ美容留学。

ロンドンの世界的サロンVIDAL SASSOON ACADEMYを成績トップで卒業後、2019年9月に美容室 GENUINEを24歳で設立し注目を集めている。

現在は、GENUINEのオーナー兼スタイリストとして活躍し、講師活動経験多数、芸能人・有名人も多数担当している。シャープ&シンプルなカット、永く付き合えるデザインカラーが得意。

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